フェロモンと体臭の違いって?
体から何か匂っていると聞くと、「えっ!汗の臭い?それとも頭皮?」などと体臭を連想していしまいます。
でも、その匂いがフェロモンと聞くと身構えないのはなぜでしょうか?
フェロモンと聞くと、とってもいい心地にさせてくれる臭いだと思ってしまいます。
そのフェロモンと体臭の違いっていったい何でしょうか?
体臭って?
読んでそのまま体の臭いです。
もちろん誰でも汗をかきます。
汗を拭かずにそのままにしていると、臭く感じることがありますが、この汗が人それぞれに臭い、臭くないというように分かれてしまうのです。
体臭の原因
私たちの体には、汗を出す汗腺には「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類があります。
エクリン腺は全身に存在する1平方センチに100個以上もある小さな汗腺で、主に体温を調節する役割を担っています。においはほとんどありません。
アポクリン腺はワキの下や陰部、耳の中(外耳道)、肛門、乳輪など限られた部位に存在する汗腺です。
汗は白っぽい色で粘り気があるのが特徴で、常在菌により分解されることで、独特のにおいが発生します。
ワキガ体質の方は、このアポクリン船が発達している方が多いようです。
フェロモンって?
フェロモンというのは異性を引きつける魅惑的な香りのようです。
面白いのが、昆虫の世界にもフェロモンがあったようで、ファーブルの昆虫記にも蛾の雌が雄を誘引する様が記されており、フェロモンの存在は当時から推測されていたようです。
このファーブルの昆虫記は、第1巻の出版が1878年ですから、138年も前のことです。
当初、同種の動物間で情報伝達される外分泌物は「エクトホルモン」と名づけられていた。
フェロモンは、極めて低濃度でその効果を果たすものが多い。それはホルモンなどと共通の性質である。その意味で、いわゆる臭いによる情報伝達とはまた異なったものである。
ウキペディアより引用
フェロモンには、危険を知らせる「警報フェロモン」や、異性を呼びよせる「性フェロモン」などもあります。
また、異性を引きつける魅力や色気などの喩えとしても使われるようになりました。
フェロモンはアポクリン腺からの臭いです。
現在は、体臭とフェロモンが混在しているようです。
”体臭はだめでフェロモンはOKよ”という風潮です。
さっきもファーブルの昆虫記にもフェロモンのことが記載されているとお話しましたが、人間が進化を繰り返しているときに、種を保存するためと遺伝子の偏りを防止するために自分以外のにおいを持つものに強く惹かれていたのです。
たとえば犬は嗅覚の鋭い動物で、相手のことを知るための手段として、まずにおいをかぎます。
犬のお尻の周辺には肛門腺という分泌組織があり、犬はこのにおいをかぐことによって、相手の年齢や性別などを確認しているのです。
このように、相手を確認するための手段が“におい”というわけで、アポクリン腺の存在する部位が性的な部位に集中しているのも、そのためです。
性的シグナルが匂いから見た目に変化したことで、アポクリン腺からの臭いはよくない体臭となってしまったのです。
実はフェロモンは体臭でもないらしいのです。
ヒトで初めて発見されたフェロモンで、性周期同調フェロモンというのがあります。
腋下部から分泌される無臭のフェロモンで、それを嗅ぐことにより月経の周期が変化する。以前より修道院や女子寮のルームメイトなどの月経周期が次第に同調してくること(寄宿舎効果、ドミトリー効果)が知られていたが、その原因となるフェロモンであろうと考えられている。ウキペディアより引用
この件に関しては全くその通りで、女子寮じゃなくてもクラスである一人が生理になったかと思えば次々に生理になるという現象が起きていました。
いつも友達と話していたのが、「一人が生理になると次々になるなんて、何かがあるはずよね?」ということを思い出します。
これがフェロモンとは知りませんでした。
人はヒトフェロモンにしか反応しない。
1987年頃にデービッド・バーライナー氏によって、ヒトにもフェロモンがあり、それを感知する器官があることが発見されました。
当時科学者の間では退化した不要の器官であると思われていたヒトの鼻の中にある小さなVNO=鋤鼻(じょび)器官が、フェロモンを感知し、脳の視床下部が反応することで、人間の行動に影響を与えることを発見しました。
人間の皮膚細胞を使ってヒトフェロモンのメカニズムを研究し、女性から抽出されたフェロモンは男性に対して、男性から抽出されたフェロモンは女性に対して働きかけることを突き止め、人工的にそれらのヒトフェロモンを作り出すことに成功しました。
人工的なヒトフェロモンで、異性にモテモテになるフェロモン香水が販売されるようになったのです。
フェロモンと体臭の違い:まとめ
ここまでフェロモンと体臭の違いについてお話ししてきました。
初めはフェロモンが動物だけだと思われていたのが、人間にもフェロモンがあるという事が発見されました。
同じ匂いでありながら体臭となると相手を不愉快にさせ、フェロモンだと相手をいい気持ちにさせるというのが面白いですね。
コミニュケーションを上手に取るのに役立てたいですね?